豆の袋に書かれた「ブルボン」「ゲイシャ」。気になる名前ですが、味を想像しようとしても、違いがつかみにくいかもしれません。品種を知るには、まず「アラビカ」との関係を整理すると分かりやすくなります。
ここでは代表的な四つの名前を取り上げます。どれもアラビカ種の品種ですが、木の姿や来歴はそれぞれ違います。飲むときは、品種名を一つの手がかりにしてください。
アラビカは「種」、ブルボンはその中の「品種」

コーヒーには、広く栽培されているアラビカ種とカネフォラ種があります。カネフォラ種は、一般に「ロブスタ」という呼び名でも知られています。これはコーヒーの木を分ける、種の段階の話です。
ティピカやブルボン、カトゥーラ、ゲイシャは、アラビカ種の中にある品種です。World Coffee Research(WCR)の品種カタログも、アラビカとロブスタを分け、その中で品種を紹介しています。
産地や精製方法は、さらに別の情報です。たとえば「ブラジル」は生産国、「ウォッシュド」は収穫後の処理方法を指します。袋に並ぶ言葉を全部「品種」だと思わず、何を表す名前かを一つずつ見てみましょう。
四つの品種には、それぞれ異なる来歴がある

WCRの品種カタログをもとに、ティピカ、ブルボン、カトゥーラ、ゲイシャの来歴をまとめました。表に挙げた木の高さや系統は、カップの味を示すものではありません。
| 品種 | どんな品種か |
|---|---|
| ティピカ | 背が高く、収量は低め。アラビカの歴史で重要な系統の一つ |
| ブルボン | 背が高く、カトゥーラなどにつながる系統。高地での品質の可能性が高いと評価される |
| カトゥーラ | ブルボンから生じた自然突然変異。木が小さく、密に植えやすい |
| ゲイシャ(パナマ系統) | エチオピア由来の系統がパナマで広まった。花を思わせる香りで知られる |
ティピカとブルボンは、コーヒーの品種を調べると繰り返し登場します。そこからカトゥーラのような品種が生まれたことを知ると、豆の名前に系譜があると分かります。詳しい栽培特性はWCRのティピカ、ブルボン、カトゥーラの解説で確認できます。
ゲイシャについては、表記だけで同じ系統と決めつけない方がよさそうです。WCRのゲイシャ(パナマ)のページは、パナマで知られる特定の系統を説明しています。販売店の説明に、産地や農園、精製方法まで書かれているかも見てください。
品種名は、味を探すための手がかりにする

同じ品種名の豆でも、栽培された場所や収穫後の精製、焙煎によって飲んだ印象は変わります。品種名だけで酸味や苦味を言い当てるのは難しいでしょう。
豆を選ぶときは、品種名に加えて産地、精製方法、焙煎度を見ます。初めての品種なら、店の味の説明を読み、好みに近そうな少量の豆を買うと試しやすいでしょう。飲んだ後に「香りが好き」「後味が軽い」など、一言だけでも残すと次の豆選びに役立ちます。
二種類を比べるなら、豆と湯の量、挽き目、淹れ方をできるだけそろえます。違いを感じても、それが品種だけから生まれたとは限りません。まずは自分がどちらをまた飲みたいと思うかを確かめてみてください。淹れ方をそろえる手順は、ドリップコーヒーの基本で紹介しています。
品種の分類、来歴、栽培特性はWCRの品種カタログを2026年10月27日に確認しました。掲載画像は分類や飲み比べを表すイメージで、枝の見た目だけで品種を判別する図ではありません。